495: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/04/16(日) 07:19:41.22 ID:wAaxG1znO
  
 「……こうして成果を得られているのは、君から生じている"偏食場"を測定したおかげだよ」 
 「今までは観測も困難な程微弱だった反応数値を、君の身体は何倍にもして増幅させている」 
  
 「体内に入り込んだオラクル細胞が、急速に活性化しているんだ」 
 「それこそ既存の症例で言えば、とうに死に至っている程の領域にね」 
  
 「だけど、君はまだ生きている」 
 「重症化を促進させている要因と、君を生かす力が同じP66偏食因子であるのなら、まだ助かる見込みはあるはずだ」 
  
 「……情報の集積、無差別に与えられる偏食因子、そして……それらの"統制"」 
 「正直、当たって欲しくはない推測だけど……見えてきたものはある」 
 「……もう少しだけ、待っていてくれ」 
  
 特異な条件下にいるのは、私より以前に感染したジュリウスも同じだ。 
 気持ちだけ逸っても、仕方ないのはわかっている。 
 そのつもりであっても、芽生えた不安を完全に押し殺せる気概は持てなかった。 
  
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