499: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/05/10(水) 22:10:47.22 ID:fzbACKzZO
  
 そのジュリウス、というより、フライアの動向で気にかかっていたのが、現在の"神機兵"の運用だった。 
 フライアとのつながりが断たれた今、戦場にいる"神機兵"の姿は、報道映像等の断片的な情報で窺い知るのみだ。 
  
 だけど、フライアに直接乗り込んだ"ブラッド"は知っている。 
 少なくともその当時、私達と相対した"神機兵"の挙動は、明らかにジュリウスが指揮するそれとは質が異なっていた。 
 本来想定していない類の相手だったとしても、 
 アラガミの群れを退けられる実力を持ったはずの神機兵団が、たった4人の神機使いにああも容易く抑え込まれるものだろうか。 
 こちらとしても不意を突かれた場面はあったものの、"朧月の咆哮"と同一の指揮系統だとはとても思えない。 
  
 ジュリウスが手を抜いていた、という風には感じなかった。 
 フライアの所業を意図的に暴かせるのが目的なら、わざわざ一芝居打ってまで"黒蛛病"患者を逃がす必要はない。 
 善意があっての行動だとしても、神機使いですらないユノに刃を向けたという事実がある。 
 あの方式を採っている以上、ジュリウスの代わりに教導役を務められる人物も存在しないはずだ。 
 ここまで考えれば、何が彼の代わりに"神機兵"を動かしていたのか、自ずと答えは見えてくる。 
  
 "神機兵を自律モードで配備してある……眠らない歩哨だ" 
  
 "フライアのおかげで、無線制御の機体としては、ほぼ完成している" 
 "今は俺の血の力用いて、教導過程……戦いの学習をさせているところだ" 
  
 あの神機兵団は、完全に自律した制御の下にある。 
  
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