64: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:33:22.15 ID:SNn8TeIE0
  
 中型種の討伐が完了した今、後は残った周辺の小型連中を一掃して離脱するのみ……のはずなんだけど。 
 アラガミの群れはリーダーを失ってなお、その数を増やしていた。 
  
 『ブラッドαへ!戦域周辺の全アラガミがそちらへ移動中!数は大型種が10以上……小型種は無数にいます!』 
65: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:36:02.56 ID:SNn8TeIE0
  
 ◇ 
  ――合流してきたβ隊と救援の第一部隊によって外部から退路が切り開かれ、私達は這う這うの体で"アナグラ"へ逃げ帰ってきた。 
 ナナは支部長であり、極東支部のアラガミ技術開発統括責任者でもあるペイラー・榊博士の手引きによって、 
 彼のラボラトリに運び込まれ、偏食場パルスを遮断する隔離部屋へと収容されている。 
66: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:38:21.67 ID:SNn8TeIE0
  
 あの時の様子だと、ナナはその頃の記憶を全て思い出したに違いない。 
 それが引き金となって、彼女は力の扱い方を知らないまま、"血の力"にまで昇華させてしまった。 
 ナナが一時期変調をきたしていたのも"血の力"の兆候だったとすれば、 
 やはりその責任は、"喚起"の"血の力"を持った私にあるだろう―― 
67: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:40:53.52 ID:SNn8TeIE0
  
 ◇ 
  討伐任務を終え、"アナグラ"に帰投した私達の元に、榊博士とリッカさんが血相を変えて飛び込んできた。 
 私達が帰ってくる少し前、外部居住区の老朽化した"アラガミ装甲壁"から、多数のアラガミが侵入。 
 幸い人的被害はなかったけど、代わりに神機を持ったナナが極東支部を脱走、 
68: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:50:29.31 ID:SNn8TeIE0
  
 ◇ 
 周辺のアラガミを一掃し、"ブラッド"全員が再び一堂に会す。 
  
 「みんな、ありがとう……」 
69: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:55:12.79 ID:SNn8TeIE0
  
 ◇ 
  この件以降、記憶が戻ったことでどこか変わってしまった部分もあるんじゃないかと危ぶむ声もあったけど、 
 ナナは相変わらず明るい性格のまま、今日も口いっぱいに"おでんパン"を頬張っている。 
 精神的成長は間違いなくあるだろうけど、変化した部分を強いて挙げるなら、 
70: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 02:01:55.27 ID:SNn8TeIE0
 ナナ編とロミオ編はギル編ほど表立って主人公が活躍しないから中々難しい…… 
 ほぼ漫画版のコピペみたいになっちゃったけど 
 それぐらいナナ編の完成度が高いのでGE2漫画版3〜4巻を買おう(ステマ) 
71: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/27(木) 23:08:57.91 ID:CkJ1WGww0
  
 ◇ 
  
 「……あのさ……一緒に任務行きたくない人って、いる?」 
  
72: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/27(木) 23:11:19.72 ID:CkJ1WGww0
  
 「さっきからどうしたの?……まさか、アンタにも心当たりがあるとか?」 
 「……とりあえず、さっきの続きなんだけどさ、その相手がものすごーく気を遣ってくる人だったりしたら?」 
  
 続きを言い淀んでいるのか、エリナはその場で少し、しおらしくなる。 
73: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/27(木) 23:14:20.95 ID:CkJ1WGww0
  
 ここまで聞けば、エリナの言わんとすることはわかる。 
 私は彼女の付添として、その任務に同行すると約束した。 
 役に立つかはわからないけど、仲間の事情に首を突っ込むのには慣れている。 
  
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20