魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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276: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:32:57.98 ID:D2uU4S3W0



悪あがき?
魔法使いらしからぬ発想だ。
無様に足掻くより、自ら死を選ぶ。
彼らはそういった美意識を持つはずだ。

ならば、襲撃を決意させた理由とは。


憲兵「…ひとつだ」

兵士「なんです?」


熱狂、そして怒り。
それらが人を変える。

こんな話を聞いた事がある。
なんの事はない、古典的な社会心理学の研究だ。
研究者は、少年たちを2つのグループに分けた。
2つのグループは1週間、それぞれ親睦を深める。
他のグループとの接触はなかった。
1週後、2つのグループは賞品を賭けて競い争った。
グループの結束は高まり、グループ間では敵対心が生まれた。
これは自明の理といえるだろう。

さて問題はここからだ。
その後、グループ間の対立を解消する試みが行われた。
2集団の交流の機会を増やし、
音楽鑑賞や食事を共に楽しませ、詩の朗読会を開いた。

ところが、集団間の葛藤はむしろ増加する傾向になったのだ。

2つの集団は、似たものを賭け、この先も争い合うのだろう。
交流が溝を深めるのでは、和解の手段は無い。
幾度争い合えば気付くのか。
集団が1つになれば良いだけの話だ。

だがそれに気付く頃には、もはや手遅れなのだ。

…熱狂、そして怒り。
伝播するそれらは、やがて恐怖に変わり、
無慈悲に救世主を求める。
だが救世主は現れない。
恐怖に駆られた民草は、やがて。


憲兵「暴走だよ。
   …これは、始まりだ」


自ら命を断つだろう。


兵士「………なんです?」


自覚の、無いままに。






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