159:名無しNIPPER[saga]
2016/03/13(日) 00:10:33.47 ID:PMIDBg1vo
  
 「おまえ、何言ってるんだよ。それじゃ本当にヌード写真になっちゃうじゃんか」 
  
 「いいじゃない。二人の記念として、麻人に撮影して欲しいの。だめ?」 
  
 「駄目っていうか、まさかその写真も女神板にアップするつもりじゃねえだろうな」 
  
 「まさか。あたしは女神行為は下着姿までって決めてるもん。それに二人の大事な記念写 
 真を他の人になんて見せるわけないでしょ」 
  
 「でもさ、よくアイドルのそういう写真の流出ってほとんど元彼が流してるんだろ? お 
 まえそういうことは心配にならないの?」 
  
 「君のことは無条件で信用しているし」 
  
 「そうは言ってもさ」 
  
 「あと、これを言うと引かれちゃうかもしれないけど」 
  
 「何?」 
  
 「そういう流出ってほとんどが振られた元彼の腹いせみたいなものでしょ? あたしは一生君のことを振ることはないから」 
  
 「嬉しいけどさ」 
  
 「勘違いしないでね。あたしたちだって普通に別れることはあると思うよ」 
  
 「何も結ばれた日にそんな話ししなくても」 
  
 「でもさ、その時は麻人があたしを見放した時なの」 
  
 「おまえ何言ってるの」 
  
 「あたしからは絶対に君を振らないって言ったでしょ? だからあたしたちが別れる時は 
 あたしが君から振られた時」 
  
 「何で一方的は未来予想図描いてるんだよ。だいたお何で俺がおまえを振らなきゃいけね 
 えんだよ」 
  
 「先のことは何にもわからないからさ。学校じゃ普通の女の子になろうとは思うけど、女 
 神だって時点でそもそも麻人にふさわしくないかもしれないし」 
  
 「そんなことは俺だって承知の上でおまえと付き合ってるのに」 
  
 「うん、そうだったね。でもまあ、先のことはわからないしね。ひょっとして君から振ら 
 れなかったら、十年後はあたしたち結婚してて、子どももいる平凡な夫婦になってるかも 
 しれないしね」 
  
 「何かいいなあ、そういいうの」 
  
  付き合いだしたばかり、結ばれたばかりなのに。今、一瞬エプロン姿のこいつに朝家か 
 ら送られるイメージが浮かんだ。何か不確定な将来のことなのに、すごく懐かしくて切な 
 いような感情があふれてきた。涙まで浮かびそうになった俺は、あわてて首を振った。 
  
 「おまえって専業主婦になりたいタイプ? それとも結婚してもバリキャリみたく働きた 
 い?」 
  
 「君の好きな方でいいや」 
  
  鬼が笑うような気の早い話しだけど、こいつとずっと一緒に過ごせたら幸せだろう。冷 
 たいかもしれないけど、もう有希とか麻衣とかを構う気がしなくなってきている。付き合 
 うって決めた後で、しかも結ばれた後で初めてそう思うなんて最低かもしれない。でも、 
 俺はこのとき、自分が本気で優に恋をしていることに気がついたのだ。 
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