500:名無しNIPPER[saga]
2018/10/23(火) 04:52:05.19 ID:ZQEyk81G0
 ビアトリス(やはり射つしかないか…!) 
  
  
 シュイィーン! 
  
  
 追い詰められたビアトリスは、ついに金獅子の騎士へ向けソウルの矢を放った。 
 だが金獅子を傷つける事が目的では無い。秘術や技術を要する品々に対し、ジークマイヤーよりは造詣が深いビアトリスは気付いたのだ。 
 金獅子の動きを一瞬でも止めることが出来れば、窮地脱出の可能性も見えてくることに。 
  
 バチィン!! 
  
 ソウルの矢は案の定、金獅子の槍に振り払われて大柱の一つに小さな穴を開けた。 
 金獅子は振り返らず、依然レディを標的としているが、歩みを一瞬止める。 
 ビアトリスは誰にも合図らしい仕草すら見せなかったが、コブラのブーツからはパイソン77マグナムが抜かれた。 
  
  
 ドウドウーーッ!!! 
  
  
 マグナムからは二発の弾丸が放たれ… 
  
  
 ジークマイヤー「うおおおっ!?」ズダダーン! 
  
  
 足元の覚束ないコブラを支えていたジークマイヤーは、発砲時の反動でコブラと共に吹き飛び… 
  
  
 ブワオオォーーン!!! 
  
  
 吹き飛んだ二人を追うように振り抜かれた大鎚は、ジークマイヤーの鎧を震わせるほどの風切り音を鳴らして空を切った。 
  
  
 バシャアアーン! 
  
  
 発射されたマグナム弾のうち、一発は金獅子の頭上を高く飛び、大窓に派手な穴を開けたが… 
  
  
 ズビシィーーッ!!! 
  
  
  
  
 もう一発は金獅子の肩当てを貫き、上体を大きくよろめかせた。 
  
  
  
  
 ビアトリス「や、やった!」 
  
 ジークマイヤー「なんと!?この手があったか!」 
  
 コブラ「へへ、どうだい」ニヤッ 
  
  
 オーンスタイン「………」 
  
  
 金獅子は、肩当ての穴から漏れるソウルを一瞥すると、レディをそのままにコブラへ向き直った。 
 大鎚を持つ金山も、コブラへの追撃の姿勢を解き、重々しくジークマイヤーとコブラから歩き去っていく。 
  
  
 ジークマイヤー「なんだ?……我らは…まさか試練に打ち勝ったのか!?」 
  
 コブラ「いや……こりゃだめだな」 
  
  
 金獅子は槍先を上にしたまま、得物を高く掲げると… 
  
 ドゴオォン! 
  
 槍を石床に強く突き立てた。 
  
  
 コブラ「…怒らせちまったか…」 
  
  
  
 突き立てられた十字槍の槍先は、白金色から黄金色へと変わり、猛々しい輝きを放つ雷を纏った。 
  
  
  
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