■■「私が、佐久間まゆ、ですか?」
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18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:15:38.39 ID:Oy6YgigW0
「聞いてください、まゆの歌を」
 スピーカーからまゆの歌が流れる。
 恋する少女の歌。誰かを愛した少女の歌。
 朽ちた世界には不釣り合いの、瑞々しい、愛することの嬉しさを伝える歌。

 世界中が揺れたような気がしました。
 ネットワークを通じて、まゆを好きになってくれたすべての人々に歌は届けられていく。
 そのたびに、大気は熱を帯び、世界は活力を取り戻していくようでした。

 割れたドームの天井。微かにのぞく夜空に、星が瞬いたのは、まゆの勘違いでしょうか?

 そうして、まゆの最初のライブは終わりました。
 ネットワークからは、賛辞の言葉が届きます。その一つ一つには確かに熱がこもっていました。これは、絶対に消去できません。

「おかえり、まゆ」
「はい、ただいま」
 改めて、まゆは思います。
 まゆは、『佐久間まゆ』として生まれてきて、幸せです。


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