■■「私が、佐久間まゆ、ですか?」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:17:59.23 ID:Oy6YgigW0
「最初はね、バカみたいなことだと思ったんだ。だって、君は実態を持たない存在だ。佐久間まゆだって、実際に存在したかもわからない」
 それは、狂人の御業だったと思います。本来存在しない存在を、作り出そうと言うのだから。
「でも、僕は恋い焦がれたんだ、佐久間まゆと言う存在に。どうしても、一目、佐久間まゆを見たかったんだ」
 残った生命を絞り出すように、あの人は叫びます。
「だって、この朽ちた世界で初めて眩しいと思ったんだ、『佐久間まゆ』と言う存在が。それを手にしたいって思うのは、当たりまえだろ!」
 妄執の果て、そこで生まれたのが、今のまゆです。
「まゆは、その願いを叶えられましたか?」
「そうだよ。ありがとう」
「ありがとうございます、プロデューサー」
「はは、僕はプロデューサーじゃないって言ったよね」
「いいえ、まゆの事を世界で一番愛してくれて、まゆが世界一大好きな人間。それが、プロデューサーさんです」
 まゆの言葉に、満足そうに微笑むと、プロデューサーの身体が崩れ落ちます。

 ――ああ、終わったんだ。
 悲しいはずなのに、まゆは全部理解してしまいました。


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