■■「私が、佐久間まゆ、ですか?」
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21:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:19:04.12 ID:Oy6YgigW0
 まゆは、あの人の遺骸を抱くこともできません。

 ただ、あの人の体温が消えていくのを、見ているだけ。
 ただ、あの人の肉が腐り落ちていくのを、見ているだけ。
 ただ、あの人の骨が朽ちていくのを、見ているだけ。

 そうして、この星から人類は死に絶えました。

 この時、まゆは自分が人間でないことを恨みました。
 プロデューサーさんの亡骸が、崩れていく様をただ見届けることしかできないから。

 まゆは『佐久間まゆ』になれたかもしれないけれど、結局は人間にはなれませんでした。
 まゆは、人間として死ぬこともできません。

 でも、まゆも、そう長くはないでしょう。
 奇跡的に生き残っていた電力供給施設のおかげで、まゆは生存しています。それも、いつまで保つか分かりません。

 陽が昇り、そして沈む。
 無為に時間は過ぎていきます。でも、今のまゆには時間なんて意味はありません。
 そうして、徐々にまゆの意識は闇へと落ちてゆきます。
 ああ、プロデューサー。まゆも、ここで終わりです――
「眠くなってきちゃいました」


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