■■「私が、佐久間まゆ、ですか?」
1- 20
25:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:23:04.40 ID:Oy6YgigW0
―――そして、再び、幾星霜を経て。

 地球から離れた遠い銀河。星の海を背に、一人のアイドルが星屑のステージに立つ。
「こんにちは、佐久間まゆです」
 宇宙に浮かぶコロニーから。
 旅の途中の宇宙船から。
 新たに人類が移植した惑星から。
 そして、人類が新たに出会った、遠い星空の隣人たちから歓声が上がる。

 地球の遺跡から発掘された電子生命体、佐久間まゆは汎銀河連合国家内にて、鮮烈なアイドルデビューを飾った。
 もはや地球と言う惑星があったことすら知らない人多い。
 遠い時間と空間の果て、一人惑星の遺児は歌う。

「聞いてくれますか? まゆと、まゆを愛し、そして、まゆが愛した人達の歌を」

 ――プロデューサーさん、まゆは、まだ生きています。
 ――プロデューサーさんが居なくなった世界は辛いけど、そこに生きている人々はとても優しいです。
 ――まゆは人間じゃないから、きっと居なくなってもプロデューサーさんの傍には行けないから……
 ――だから、プロデューサーさんが居たことを、歌い続けようと思います。

 ――かつて、プロデューサーさんは存在しない佐久間まゆと言う存在を定義しました。
 ――今度は、まゆがプロデューサーと言う存在を定義し続けます。

「だから、許してくれますよね」

 赤いリボン。ホログラムの先。途切れて見えない結び目は、あの星に続いている。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
40Res/27.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice