25:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:23:04.40 ID:Oy6YgigW0
―――そして、再び、幾星霜を経て。
地球から離れた遠い銀河。星の海を背に、一人のアイドルが星屑のステージに立つ。
「こんにちは、佐久間まゆです」
宇宙に浮かぶコロニーから。
旅の途中の宇宙船から。
新たに人類が移植した惑星から。
そして、人類が新たに出会った、遠い星空の隣人たちから歓声が上がる。
地球の遺跡から発掘された電子生命体、佐久間まゆは汎銀河連合国家内にて、鮮烈なアイドルデビューを飾った。
もはや地球と言う惑星があったことすら知らない人多い。
遠い時間と空間の果て、一人惑星の遺児は歌う。
「聞いてくれますか? まゆと、まゆを愛し、そして、まゆが愛した人達の歌を」
――プロデューサーさん、まゆは、まだ生きています。
――プロデューサーさんが居なくなった世界は辛いけど、そこに生きている人々はとても優しいです。
――まゆは人間じゃないから、きっと居なくなってもプロデューサーさんの傍には行けないから……
――だから、プロデューサーさんが居たことを、歌い続けようと思います。
――かつて、プロデューサーさんは存在しない佐久間まゆと言う存在を定義しました。
――今度は、まゆがプロデューサーと言う存在を定義し続けます。
「だから、許してくれますよね」
赤いリボン。ホログラムの先。途切れて見えない結び目は、あの星に続いている。
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