■■「私が、佐久間まゆ、ですか?」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:02:02.62 ID:Oy6YgigW0
 目の前は真っ黒な世界。手を伸ばしても何もなく、ただ混じり気のない黒だけが広がっています。
 時折、遠くで光が瞬きますが、すぐに消えてしまいます。
 まゆは、どこに居るのでしょうか?
 プロデューサーは、どこに居るのでしょうか?
「さあ、おいで」
 また、声が聞こえてきます。それに応じて、世界が更新されました。
 黒い海は消え、殺風景な部屋の中に一人の人間が居る視覚情報が入ってきます。
「見えるかい?」
『はい』
 口を動かしたけれど、音声情報は出てきません。かわりに、付箋のようなウィンドウにまゆが言いたかった言葉が映し出されます。
『まゆの、声は?」
「ごめんよ、音声情報のサルベージは完成していないんだ」
 人間は申し訳なさそうにぺこりと頭を下げます。
 どうしてでしょう。その姿を見ると、まゆの演算領域にノイズが走ります。ざわつく……まるで、心がざわつくような。
 心? 心とは、なんですか?
『そんな……』
 言葉を出すけれど、顔を伏せたあの人には伝わりません。また、まゆの演算領域……思考回路と定義された場所にノイズが走ります。


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