■■「私が、佐久間まゆ、ですか?」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:02:58.12 ID:Oy6YgigW0
「さて、いつまでもこうしている訳にはいかないか」
 顔を上げると、あの人はまゆを真っすぐに見つめます。
「もう気が付いているとは思うけれど、今の君の体は、以前の『佐久間まゆ』の物とは違う」
『そうなんですか?』
 よくわかりません。
「いや、以前にも君の体があったかは分からない……まあ、それは今の君にはあまり関係がないか」
 わざとらしく咳払いすると、あの人は部屋の隅を指示します。
「デバイスをあそこに移動させるんだ。そうすれば視界も変わるはずだ」
 デバイス。言われてすぐに理解できませんでいた。すぐに情報を収集すると、操作方法が記録されました。
『こうですね』
 まゆの視界が動きます。映像情報を更新すると、大型の筐体の隣に立つあの人が見えました。きっと、あの端末は、さっきまでまゆが居たところでしょうか。
「次に、立体映像を表示して欲しい」
 言われたように実行します。すると、まゆの姿が部屋の中に浮かびました。
『これが、まゆですか?』
「そう、キミは、佐久間まゆだ」
 まゆは、『佐久間まゆ』。
「佐久間まゆと言う存在のアーカイブから再現した、『佐久間まゆ』と定義された存在だ」



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