新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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23: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/03(火) 00:31:59.28 ID:5kzXp0UHO

ブラックのまま手渡されたコーヒーの味にいよいよ舌がうんざりしてきた美波はソファから立ち上がり、キッチンに砂糖とミルクを探しに行った。弟が座っているキッチンの椅子の背に、すでに首から解いたマフラーがかけられている。弟のカップのコーヒーは黒い液体のままだった。ぬるくなって湯気もたたない黒いコーヒーとは対照的に、圭の手のひらはカップの温度が移ったのか、しっとりとしたピンク色に染まっている。

単語カードを繰る音と、コーヒーをかき混ぜるスプーンがカップに当たるカチャカチャ音が交互に、そして十回に一回くらいの割合で同時に鳴った。カップの中身が乳白色で中和されきった。美波がカップから弟に視線をやると、手元の単語カードは残すところあと数枚というところだった。


美波「そういえば、海斗くんって最近どうしてるの?」


たったいま、記憶にのぼってきた事柄を無意識に口に出してしまったみたいに聞こえるよう気をつけながら、美波は圭に尋ねてみた。


永井「さあ。たまに見かけるけど」


圭は単語カードから視線をあげないまま、あっさり答えた。


美波「子どもの頃、よく遊んでたよね」

永井「今はもう、そんなことはしてない」




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