708: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:00:57.27 ID:jiMS7eDVO
甲斐「ようこそ」
歓迎の言葉もそこそこに、甲斐は一同に視線をむけた。永井圭の姿を認めると甲斐は視線を戸崎に戻した。
甲斐「おもしろいことになってるな、戸崎」
戸崎「昨日の今日で悪いな、甲斐」
甲斐「早いほうがいいだろ。それに私としてもありがたい申し出だ。設備は信頼できるが問題はいつだって人災だ。こんな状況では社員もいつ裏切るかわからんからな」
甲斐は戸崎も当然同意するだろうといいたげな薄い微笑みを口の端に浮かべながら言った。同時に、その微笑にはどこか揶揄めいた色もあった。
甲斐は後ろの方に身体を半転させ奥にある金属製の扉に手を掲げた。
甲斐「そのエレベーターを使ってくれ。五分だけどこにも止まらず十五階まで昇れるようにしてある。カメラもオフだ。社員にお前らの存在は悟られない」
戸崎「よくあることか?」
甲斐「女を呼ぶ頻度によるな」
甲斐がほくそ笑んだ。笑みがほのかに嫌らしくなる。それを見て、戸崎はやはり勘づいているのだろうかと訝った。
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