新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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775: ◆8zklXZsAwY[seko]
2019/01/26(土) 22:08:00.60 ID:ymR8HEsBO

 言い終わった田中が慎重に、ゆっくりとドアノブを捻る。このとき、廊下で陣取っている警備員のうちの一人がドアノブが動いたと感じたが、田中は二秒間握ったままの姿勢でいたため、その警備員は気のせいかと思い始めた。突然、叩きつけるようにドアが開け放たれた。田中はオフィスに飛び込むと同時にショットガンを持ち上げ、すぐさま引き金を引いた。散弾がシールドを割り、割れた強化プラスチックと散弾が警備員の肩をえぐった。オフィスの隅の方に固まっていた社員たちが悲鳴をあげた。

 田中は腰をおとしデスクの陰に隠れられるように重心を左に傾けた。田中に続いて突入してきた高橋がAKMを乱射する。銃弾が麻酔銃を撃とうとシールドから身体を出していた何人かに貫通した。弾が当たらなかった警備員は高橋が田中の後を追ってデスクに身を隠す前に麻酔銃を撃った。麻酔ダートが左肩の下あたりに突き刺さり、高橋の身体から意識が消え、すぐ後ろのゲンを巻き込んで仰向けに倒れた。


田中「ゲン!」


 ゲンはすぐさま拳銃の先を高橋に押し付け引き金を引いた。銃弾は右耳のあたりから斜めに発射され、左眼球を巻き込んでこめかみから射出された。血と脳漿が飛び散って床を汚した。高橋は仰向けの姿勢のまますぐに上体を起こしふたたびフルオートで撃ち始めた。高橋に麻酔ダートが刺さってからほんの数秒しか経過していなかったので、麻酔銃を持った警備員たちはシールドに隠れる暇もなくまた何人かが射殺された。


「もう一度だ!」


 すぐ隣の仲間が撃たれて死んでいくなか、この一団を指揮しているとおぼしき警備員が麻酔ダートを装填し直し、ふたたび高橋に狙いをつけた。照準をあわせ、引き金を引こうとする。



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