774: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/01/26(土) 22:07:02.30 ID:ymR8HEsBO
『上の階、固められてる。シールドと麻酔銃で』
しごく冷静な声を保ったまま、奥山が状況を説明する。
『あと、その階の廊下側からもう一団そっちに向かってる。挟み撃ちにする気だね』
高橋「いよいよ本番か」
田中「どちらかとは戦うことになるな。どっちがいい?」
『下から上に攻めるのは不利だよ』
奥山が冷静に意見を続けた。
『いまいる北階段を出て廊下側の一団を倒す。そしたら今度はまだ手薄な南階段で上を目指して』
弾倉交換を手早く済ませたあと、三人は銃口を床に下げ、ドアの前で立ち止まった。田中がちらと高橋に振り返ると、高橋はワンショルダーバッグから粘着力の強いグレーのダクトテープを取り出し田中に手渡した。銃を持つ右手をテープでぐるぐる巻きにすると、田中は高橋にテープを返した。同様のことを高橋とゲンが済ませたことを確認すると、田中はドアノブを握り、力を込めた。
田中「いいか? 隊列を崩すなよ」
田中は閉じられたドアを見つめたまま、その向こう側の光景を予想しながら言った。
田中「佐藤さんはこれをひとりでやったらしいが、おれらにそんなテクはねえ。練習通りやるぞ!」
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