美玲「To give you」ありす「Answer」
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2: ◆S6NKsUHavA[saga]
2017/05/30(火) 23:46:05.91 ID:McTk8PE80
「えぇッ!? ショーコとノノは一緒じゃないのかッ!?」
「残念だが……」


 ──事務所


「せっかくのウチの地元凱旋ライブなのに、インディヴィジュアルズで出れないなんて、そんなのってあるかーッ!!」
「そう言われても、流石にコレばっかりはなぁ……」

 顔を真っ赤にして詰め寄ってくるピンクのフーディーに眼帯姿の少女・早坂美玲に対して、彼女を担当するプロデューサーは困ったような顔をしながら言った。

「輝子はソロライブが重なってるし、乃々も別のプロジェクトとの合同ライブに借り出されてるから、物理的に無理だろ」
「そんなぁ……」

 彼の発言に、悲鳴のような言葉を残してうなだれる美玲。プロデューサーは眉をしかめながらこめかみを掻いたが、出来る事は何も無かった。二人の予定は大分前から決まっていたことだし、今更動かすことは出来ない。

「新曲の∀nswerも宮城で初披露出来ると思ったのに……何とかしろよ!! プロデューサーだろッ!?」
「無茶を言うな、無茶を。今回だって締め切り過ぎたところを無理言ってエントリーさせて貰ったんだから……」
「うッ……そ、それは……そうだけど……」

 彼らの母体でもある美城プロダクションが主催で行う、初の全国公演。東北の宮城を皮切りに、南は福岡まで日本を縦断する大がかりな公演は、各プロジェクトからのエントリー制で各地に参加するアイドルを決定していた。宮城出身の美玲は、どうしても凱旋ライブがやりたいとプロデューサーに駄々をこね、スケジュール調整をギリギリまで粘ってエントリーさせて貰ったのだが、残る二人の事までは頭が回っていなかったのだ。
 結果、冒頭の美玲の嘆きに戻る。

「うぅ……ウチの新曲……」

 そう言って再び肩を落とす美玲の姿に、流石に若干可哀想になってきたプロデューサーはひとまずの代案を提供した。

「新曲を歌うだけなら、代役を立てたらどうだ? 一曲だけなら、今からレッスンしても間に合うだろ」

 その案に、美玲は一瞬顔を上げたもののすぐに暗い表情に戻る。

「今から探して見つかるのか? ウチ、信頼出来るヤツとじゃないと歌いたくないゾ!」
「またワガママを言う……」
「ワガママじゃない! 大切な事だッ!」
「分かった分かった……」

 声を荒げる美玲を宥めながら、プロデューサーは思考を巡らせた。彼女の言うことも一理はある。ユニットは相性も重要だ。即席とは言え同じ歌を歌う以上、ある程度慣れ親しんだ人間の方が完成度は上がる。
 しかし、彼女の眼鏡にかなうようなアイドルがそう簡単に現れるかどうか。そんなプロデューサーの思考に、突然声が割り込んできた。




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