6: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/02(金) 23:22:29.78 ID:msBbbnVco
「そないなことがあってんなぁ……」
紗枝ちゃんは私の話を黙って聞いてくれました。口にして誰かに話すことで、私の中の澱みが少しでも消えたような気がします。鏡を見ると、さっきよりかは幾分かましな顔をしていましたから。
「まゆはんは……答え、とっくに出しとるんちゃいます?」
紗枝ちゃんはお茶を飲み干すと真剣な眼差しで私を見据えます。
「はい。分かっているんです、彼の夢を応援すべきなんだって。だけど」
「だけど?」
「アメリカでまゆ以上の女の子に出会ったら……」
「まゆはん以上の子なんて、それこそそうおらへんよ」
「それだけじゃないんです。不安なんです。離ればなれになって、2人の関係が消えてしまわないか、ううん。まゆの思いが、薄れてしまわないかって」
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