7: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 20:58:23.11 ID:eT+S8Zf10
   
 「内装も木製で揃えてるからか温かみもあるな。外観とは裏腹に店内が明るいから前来たときは驚いた」 
   
 「こういうカフェって意外と多いですよ? チェーン店とかだとお洒落な内装を重視してるカフェが多いですけど」 
   
 「あー、俺そういうところは無理だわ。どうしても若者が好きそうな場所って感じがして気が引けるんだよな」 
   
 「プロデューサーさんだって十分若いですし気にすることないんじゃないですか?」 
   
 そんな他愛もない話をしていると注文したドリンクが届く。 
 値段に反して量が多い。 
 そこも彼が好感を持つポイントの一つだった。 
   
 「さて、」 
   
 お互いに一口飲み、彼は切り出した。 
   
 「藍子、今日はどうして遅れそうになったんだ?」 
   
 「……それは、今朝も言いましたけど、時計を見ていなかったんです」 
   
 言葉を区切りながら藍子は言う。 
 どこか絞り出すような、苦しそうな声音。 
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