雀明華「スタンド・バイ・ミー」
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7:名無しNIPPER[sage]
2017/06/11(日) 19:03:08.05 ID:kXRpQ9pe0

「この左の男性は?」

「知らん。遊び仲間の誰かだろう……それにしても、なんの本かもわからずに選んだのか」

サトハが呆れたような目で見てきます

「その、なんとなくこの和綴じの雰囲気にアンティーク的なものを感じて……」

「つまり、骨董品が欲しかっただけか……」

サトハは私を見た後、再び庭園へと目を向けます

なんとなく、非難されているように感じました

確かに私はこの和綴じ本の雰囲気に惚れて、この本を選んだのです。内容は二の次なので、さして深く興味を持つ事も、読む気もありませんでした

けれど……表面上だけでなく、中も読み込めば、何らかの感動や味わいがあるのかもしれませんね

さながらうどんの風味のように


奇行だらけの辻垣内 時永

貴族の月神 小太郎


彼らにまつわるこの本を読み解いてみよう。そう、私は夜の庭園を眺めながら思いました

これが、私の小さな物語の始まりです






部屋に戻るとネリーは「滝夜叉姫が……」と呟きながらうなされていました







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