160:名無しNIPPER[saga]
2017/06/23(金) 22:32:25.28 ID:3ai9I0vk0
  
  
 「西宮、覚えてるだろ。杉下さんに神戸さんだよ。」 
  
  
 石田に促されてようやく自分たちの前にひょっこり姿を現したのはあの西宮硝子だ。 
  
 まさかこの二人が見違える程…成長を遂げるとは… 
  
 さて、再会を果たした彼らだが石田はなにやら手話を用いて硝子と会話を行っている。 
  
 それにしても石田の手話だがどうにも手馴れた動作だ。 
  
 まるで何年も掛けて覚え込んだモノに思えるが… 
  
  
 「石田くん、キミは手話を覚えたのですか?」 
  
  
 「はい。あれから色々とありましたから…」 
  
  
 色々とあった。たった一言の返事だがその言葉には重みがあった。 
  
 あの後、石田にもつらいことが多々起きたはずだ。 
  
 自らが招いてしまった愚行とはいえ散々な日々だったはず… 
  
  
 「それでも西宮が居たからここまでやってこれました。 
 西宮がいなかったらきっと俺は今でも腐っていたはず…だから…」 
  
  
 隣で心配そうに見つめる硝子に大丈夫だと手話で語る石田。 
  
 その様はまるで仲の良い恋人同士のように見えた。 
  
 そんな幸せそうな石田に右京はあることを問いかけた。 
  
 それは5年前に聞きそびれたある質問だ。 
  
  
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