161:名無しNIPPER[saga]
2017/06/23(金) 22:32:52.64 ID:3ai9I0vk0
  
  
 「実は聞きたかったことがあります。 
 5年前、公園の水場でキミたちと初めて出会った時のことです。 
 あの時キミは硝子さんの筆談用のノートを堅く握り締めていた。 
 当時のキミにしてみればあのノートは忌まわしいモノだったはず。 
 それを何故大切そうに持っていたのですか?」 
  
  
 それが右京からの質問だった。 
  
 確かに当時あのノートは6年2組の児童たちの悪質な落書きに塗れたもので 
  
 本来の用途であるクラスの子たちと仲良くするための役割を果たせていなかった。 
  
 それを何故石田はあの時大切そうに握り締めていたのかがどうしても引っ掛かっていた。 
  
  
 「それは…あのノートが…水場に捨てられていたからです…」 
  
  
 「捨てられていたというと…つまり…島田くんたちが故意に捨てたのですか?」 
  
  
 「いや、そうじゃなくて…捨てたのは西宮自身でした…」 
  
  
 5年前のあの日、石田が右京たちと出会う直前のことだった。 
  
 一人で寂しく学校へ登校しようとした石田は 
  
 硝子が筆談用ノートを公園の水場に捨てているところを見かけた。 
  
 ずぶ濡れになりボロボロと化していた筆談用ノート。 
  
 それを石田は水場から引き揚げようとした。 
  
 それを同じく登校中だった島田たちに見つかりイジメられていたのが事の真相だった。 
  
  
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