340: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:10:25.62 ID:KBfEQrQA0
 鎮守府の電源は生きているはずなのだが、地下への階段を照らすのは緑色の非常灯だけ。お世辞にも十分な光量とは言い難く、踊り場の所だけがストリップ・ショウの舞台上のように照らし出されている。 
  
 (,,゚Д゚)「ライト点けろ!」 
  
 ( ̄⊥ ̄)「暗がりはなるべく作るな!とにかく広い範囲をくまなく照らせ!」 
341: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:15:41.84 ID:KBfEQrQA0
 数秒間、沈黙の中にパネル操作の電子音だけが響く。それは一際高い沸騰したやかんみたいな音を残して終わりを告げ、開く扉の隙間から空気が逃げる「プシューーッ」という間の抜けた音が後に続いた。 
  
 そして扉の中から漂ってきて頬を撫でたのは、背筋が思わず震えるような外と遜色ない温度の“冷気”。 
  
 「Clear!」 
342: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:17:29.02 ID:KBfEQrQA0
 銃口とライトを、次々と辺りに向けていく。俺と時雨、江風、そしてファルロの四つの白い光が廊下を行き来するが、閉じた鉄製の扉が並ぶだけで人影や気になるものはない。 
  
 ………強いて一点挙げるなら、足下でぴしゃぴしゃと音を立てる水溜まりだろうか。 
  
 (,,゚Д゚)「こんなところまで雨漏りとは、建て直しをオススメするよ提督殿」 
343: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:20:34.39 ID:KBfEQrQA0
 (,,゚Д゚)「各位、部屋と上階からの物音に警戒しつつ進軍しろ!村田、直井、このまま入り口を確保しておいてくれ!異常があれば直ぐに無線で連絡を!」 
  
 「「了解!」」 
  
 「ギコさン、扉は開けて中も確認するかい?」 
344: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:26:05.54 ID:KBfEQrQA0
 重苦しく、不気味さを増していく辺りの空気とは裏腹に何事もなく5分弱の進軍が終わる。ロシア国旗が描かれた壁がライトに現れたところで素早く辺りを見回し、人影が無いことを確認。 
  
 俺と時雨が先行し、曲がり角の壁に身を寄せてゆっくりと覗き込む。そのまま飛び出して廊下の先までライトで照らすが、300M向こうの扉に至るまで人影はやはり皆無だ。 
  
 ( ゚∋゚)《此方Ostrich、地下二階へと続く階段を視認。人影は無い》 
345: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:35:23.99 ID:KBfEQrQA0
 . 
  
  
  
  
346: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/04(水) 22:43:01.39 ID:KBfEQrQA0
 ………最初に外でその声を聞いて以来、俺はずっと“幻聴”だと思っていた。だが、どうやら間違った認識だったらしい。 
  
 玩具で遊ぶ赤ん坊を思わせる、甲高くて無邪気で、しかしどこか神経を逆なでする笑い声。【Helm】から逃げる際に俺の耳に微かに届いたそれと寸分違わぬものが、よりはっきりと暗い廊下に木霊する。 
  
 「……!」 
347: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:46:07.98 ID:KBfEQrQA0
 本日ここまで、新敵の正体はまた明日に。 
  
 皆さん歯は奥までしっかり磨きましょう(歯髄炎で死にかけながら) 
348:名無しNIPPER[sage]
2017/10/05(木) 01:35:13.74 ID:/Y5TNyZA0
 おつおつ 
 てか本当にお大事に…歯の類は本当に辛い(^_^;) 
349: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/06(金) 00:06:48.97 ID:aiRar0RB0
 (,,;゚Д゚)「野郎!」 
  
 「ヴァッ……』 
  
 出口に差し掛かった“そいつ”の顔に肘打ちをぶち込んで押し返し、身体を反転させAK-47の銃口を向ける。扉を挟んだ反対側でファルロも同じ動きをするのが視界の端に写り、更に二つの火線が蹈鞴を踏んで後退した奴の両肩に突き刺さる。 
350: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/06(金) 00:24:33.44 ID:aiRar0RB0
 ファルロがほとんどただの赤い塊と化した上半身から射線を下にずらし、“男”の膝に向かって弾丸を放つ。5.45x39mm弾が膝関節の骨と筋肉を粉砕し、欠落した左足が血の噴水に押し出されて左腕同様階段を滑り落ちた。 
  
 「アッ………アッ………』 
  
 (; ̄⊥ ̄) 「……いったい何だこいつは!」 
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