女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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21:名無しNIPPER[sage]
2017/08/13(日) 22:46:54.44 ID:/6Xwlc9Z0
 照がこちらに近づいてくる。

「じゃあ付いて来てくれる?」
「はい」

 卓也がこちらを心配そうに見ている。卓也の時とは違う誘導なのだろうか?
 歩く照の後をついていく。通路は武骨なつくりだった。まるで飾り気がない。機能性を追求したような作り。

「座って」

 本がずらりと並んだ部屋。いわれるまでもなく、図書室とわかるその場所で、椅子をすすめられる。
 恐る恐る、慎重に座る。

「君ってさ、何か大きな力に憧れてここに来た?」

 いきなりそんなことを問われる。

「……え?」
「あー違うか。気にしないで。じゃあ、何か欲しいものがあるのかな?それとも別の目的があるのかな?」

 それに答えようとする、寸前で咳がこみ上げる。通路が埃っぽかったのか。

「大丈夫かい」
「あ、はい。ぼくは――」

 ……待てよ?この質問に答える必要がどこにある?最初にこの組織のボスにいったことを繰り返す、それでいいはずだ。

 ふと気づく。この照という男の人の好さそうな顔。そしていつの間にか緩まっていた緊張感。
 会話がどこかに誘導されようとしている。

「最初に言った通り、世の不平等を正すために来ました」
「なるほどなるほど。立派なことだ」



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