佐久間まゆ「甘えさせてくれる貴方と」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/18(金) 16:29:31.83 ID:7tf1xLWMO
「…………まゆ……」



 熱っぽい吐息。ぽつりと零すように名前を呼ぶ、濡れた声。

 抱き寄せられるわけじゃない。押し退けられるわけでもない。きっと無意識に漏れて溢れ出してきたんだろうそれ。プロデューサーさんのその声が、髪の先と首元をくすぐる熱い吐息と一緒に耳へ届く。

 たったの一言。ただぽつりと名前を呼ばれた、それだけ。それだけなのに……たったのそれだけなのに、瞬間身体が熱くなる。

 大好き。その熱が高まってくる。

 恋しい。そんな感情が沸き立ってしまう。

 愛しい。どうしようもないほどどうにもならない想いが満ちていく。

 好き好き好き。まゆの恋しいプロデューサーさん。愛してる。誰よりも何よりも、愛してる。

 言いたい。そう言ってしまいたい衝動が押し寄せてくる。このままそこへ、この唇の触れる場所へ、その告白を尽くしたい。そんなふうに思ってしまう。



「…………あぁ」

「…………」

「……プロデューサーさん、まゆは…………あぁ、プロデューサー……さん……」



 でも駄目。それは駄目。ここでそれは言っちゃ駄目。

 普段ならいい。好き。大好き。愛してる。そんなことを言ったって。毎日しているように何気なく、冗談めかしたりしながら……本当は当然、冗談なんかじゃないのだけど。そしてそれを、プロデューサーさんも分かってくれているのだけど……そんなふうにしながら、言ったって。

 でも今は駄目。今のこの、ここで、言ってしまうのは。

 だって……


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