まさかりかついだ ルクリリ様
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10:名無しNIPPER
2017/09/08(金) 02:45:53.35 ID:nzHpWTAn0

ルクリリ様は2年生です。

アッサム様やオレンジペコさんほどに、紅茶の園に呼ばれている方ではありませんが、マチルダUの車長として実績を重ねてこられた、尊敬できる先輩でした。

ただ、ちょっとだけ凛々しすぎる一面をお持ちで、私達 新入生にとっては、アッサム様のような淑女然とした方とはまた違う緊張感を強いられる方でした。

それゆえに、私はルクリリ様のこと、少し苦手意識を持っていたのですが……


「 ニルギリのそういうところに、ダージリン様は目を付けたのだと思うよ 」


ルクリリ様は、穏やかに笑って、そう仰いました。

私は意味が分からず、何も答えられませんでした。

しかも、付き合いが深いとは言えないルクリリ様に泣き顔を見られたこともあって、恥ずかしくて視線が合わせられませんでした。

そんなふうに私がアワアワしていると……

ルクリリ様は、続けてこう仰いました。



「 新入生のデビュー戦なんて、気付いたら白旗上がってるものでね、ほとんどの新入生は試合の雰囲気を感じるだけで手一杯で、悔しいなんて思える余裕は無いものだよ 」

「 悔しいって感情は、向上心がないと生まれなくてね。 だからニルギリさんのその涙は、向上心の結晶みたいなものだと思うんだ 」

「 そしてダージリン様は、そういう結晶が、紅茶の次に大好物らしい 」



そう言って、ニヤリと笑ったルクリリ様。


この時だったと思います。

ルクリリ様が、私の中で道標となったのは。



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