9:名無しNIPPER
2017/09/08(金) 02:43:37.10 ID:nzHpWTAn0
視線の先の、砲塔側面に付けられた傷を見つめるほどに、私は己の限界を見せつけられるようで、心はただただ沈んでいきました。
こんな失態、もう次のチャンスは巡ってこないだろうとは思いましたが、それでもこの悔しさを次に活かさなければなりません。
だから悔しがるのは良いとして、せめて泣くものか、と奥歯を食いしばったのですが、ポンコツだったのは車長としてのスキルだけじゃなくて、涙腺の締まり具合もだったようです。
こらえようと思っても涙が止まらず、そんな情けない姿を誰かに見られるわけには行かないので、早々に戦車ガレージを立ち去ろうとしました。
そして、ようやく気が付きました。
私の背後、戦車1台分くらいの距離を置いて、ルクリリ様が立っていらっしゃいました。
戦車ガレージの扉は開いていて、夜気と、外房の黒い海原から運ばれる潮の香りが流れ込んできていました。
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