神谷奈緒「晴れは雨があってこそ」
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17:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:24:52.23 ID:KS3A+iW2O
────翌朝。

「神谷、そこでターンだ!よし、ちゃんと出来てるじゃないか!」

早朝のユニットレッスン。昨日と同じレッスンフロアで、今度は凛と加蓮と一緒にダンスレッスンを受けていた。

「奈緒、すっごいキレキレじゃん!もしかして、Pさんと何かあったなー?」

ニマニマとお腹をつついてくる加蓮。

「な、何もない!本当だってば!」

狼狽える奈緒をみて、凛が笑う。いつも通りの光景。だけど、いつもよりちょっといい日。昨日という雨の日を超えたからこそ、今日という晴れの日を迎えられたんだ、と奈緒は本気でそう思う。

「こら北条!ちょっかいを出すな!まだ休憩時間じゃないぞ!渋谷もいつまで笑ってるんだ!もう一度最初から繰り返すぞ!」

『はい!』

トレーナーの叱責が飛ぶ。凛と加蓮はそれに応える。定位置に付いたふたりの背中を見て、奈緒は考える。何も焦ることは無い。自分たちはユニットなのだ。今回は奈緒が助けてもらった。ならば次は、もしも凛や加蓮が転んだ時に手を差し伸べられるように努力しよう。あたしの為じゃなく、みんなのために。

再び曲がかかり始める。その中央で華麗にステップを踏む奈緒の左腕には、二重の三角形が淡いブルーの光を揺らしていた。

おわり



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