梨子「──"私の音"と誕生日。」
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7: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/09/19(火) 00:03:59.21 ID:lKcuUgd9o

梨子母「梨子、高校はどうするの? やっぱ音楽系の場所?」

梨子「え? ……普通科のつもりだったけど?」

梨子母「あら、そうなの? ピアノの道に進むのかと思ってたんだけど……」

梨子「お母さん、大袈裟すぎだよ……」

梨子母「そうかしら? ピアノの賞貰ったのよ? すごいじゃない」

梨子「そんなんじゃないよ……。」

梨子母「じゃあ、ピアノはもう辞めちゃうの?」

梨子「別に辞めないけど…… 普通科の高校でピアノ弾けばいいし」

梨子母「そう? ……あ、そういえば近くに普通科だけど、音楽で有名な学校があったわね。えーと、音ノ木坂……だったかしら。」

梨子「……ふーん」


正直に言うと、お母さんの期待は重かった。

私はただ、なんとなくピアノを弾き続けていて、その先で運よく賞を貰っただけで

でも、なんだかんだこうしてずっとピアノを引き続けてこられたのも、お父さんやお母さんがピアノを弾ける環境を整えてくれたお陰だ。

多少重くても、少しでも期待に応えるのがそのことへの恩返しになるんじゃないかなって、そう思って……私は音ノ木坂学園高校への進学を決めたのだった。





    *    *    *





梨子「ダメだ……」


ピアノの前でまたしても項垂れる。

もうコンクールも近いのに。

ざっくりと曲は出来たんだけど……なんかしっくりと来ない。


梨子「でも、もう本番も近いし……」


もう、これでいいのかな……今の私の能力の限界。

別に作った曲に関して弾けない部分があるわけでもないし……そう思って、パタンと鍵盤に蓋をした。

ギリギリまで根詰めて、逆に曲が変になっちゃっても困るし……ね。





    *    *    *



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