荒木比奈「だらしない私」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/21(木) 21:25:38.76 ID:5qJPlXga0
「好きなんでス」

「好き。……大好きなんでスよ、私は」

「プロデューサーのことが、他のどんな誰よりも大好きなんでス」


 言う。

 きっとバレている。触れた頬を通じて私が小刻みに震えているのは。重なった胸を伝って私の鼓動が跳ねているのは。きっと全部バレている。

 バレていて。それを自分でも自覚しながら、それでも言う。

 蕩けきってはっきりしない頭で、それでもなんとか精一杯の勇気を振り絞って。


「いつも、誘ってました」

「意識してくれたら。そんなふうに思いながら、いつもプロデューサーの前ではだらしなくいたんでス」

「だらしなくしてれば構ってもらえる。プロデューサーが私のこと気にかけてくれる。それに甘えて、一緒にいたくてだらしなくして」

「『だらしないから』『仕方ないなぁ』そんなふうに思われて、だから半ば注意するのも諦められてるのを良いことにいろいろ……だらしないのを建前に、プロデューサーへアピールしたりなんかして」

「そうして誘ってたんでス」

「いつもいつも。恥ずかしくて叫んじゃいそうになるのを堪えながら、どうしようもなくドキドキしてるのを隠しながら……プロデューサーのこと、誘惑してたんスよ……?」


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