13: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:06:06.33 ID:u1+Fwgaf0
豊音があの子を見て抱いた感想なら、髪型や制服の着こなしが気になったとか、「お嬢さん良い後ろ姿してるねー」だとか、それらしいものをいくらでも想像できてしまう。
だから、あの下級生そのものではなく、あの子がとった行動に絞って考える。
まずは、あの子が持って行った本が、豊音も要り用だった、という可能性。
これは、否定してしまって構わない可能性だろう。
あの子が手を伸ばしていた棚には、一年生向けの数学や情報系の参考書が置かれている。
あの子が持って行った本は、三年生の豊音には用のないものである可能性が高い。
復習に使うこともあるかもしれないが、学内の中間考査前のいま、特に必要にはならないだろう。
したがって豊音が興味を持ったのは、彼女が手にした本ではない――と、断定まではできないけれど、低い可能性なので切り捨てる。
考えるべきポイントはふたつ。
ひとつは、豊音があの子に興味を持ったきっかけ。
そしてもうひとつは、その興味が減じたきっかけ。
興味を持ったきっかけは、彼女が本棚に手を伸ばしたことだろう。
そして減じたきっかけが、彼女が本を手にして去ったことだ。
それはおそらく間違いない。
問題は、その理由。
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