18: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:12:58.78 ID:u1+Fwgaf0
そこで私は、再来した豊音の念願成就の機会を逃すまいと、あの子から踏み台を奪った。
踏み台を奪ってしまえば、豊音が行動を起こすまでの猶予が生まれる。
そのあとは成り行きに任せた。
結果は上々。
豊音も満足したようだし、彼女も目的の本を手に出来たわけだから、誰も損はしていない。
私も適当な本を手に取り、席に戻ることにする。
席に着くと、豊音が嬉しそうに声をかけてきた。
豊音「シロ、タイミング悪いけど、良かったよー」
白望「……なんの話?」
豊音「なんでもない。んふふ、えへへぇ……」
白望「……」
よほど嬉しかったのか、でれっでれのゆるっゆるな顔で笑う豊音。
この様子だと、私が意図的に踏み台を奪ったことには気づいていないのだろう。
「タイミング悪いけど、良かった」それはつまり、私が踏み台を持っていたことはあの子にとっては間が悪かったが、自分にとっては間が良かった、という意味だろうし。
しかし、まぁ、余計なお世話だと思われるのも嫌なので、これでよしとしておく。
72Res/62.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20