12: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/25(月) 23:32:39.88 ID:53XBMd0+0
「全く、ちゃんとお仕事してくださいよ。……い、一応、やればできる人なんですから」
「だからさ、そのやる気が出ないって話でね……」
呆れた静香の物言いに、プロデューサーがもさっとした笑いで言葉を返す。
その気怠さ溢れる振る舞いを見て、静香は何かに思い当たったように腕を組んだ。
「……あの、細かいことを聞きますけど」
「なに?」
「プロデューサー、最近体動かしてます?」
神妙な静香の問いかけに、プロデューサーが宙を見る。
千早がキュッキュッとペンを走らせる音が、事務室に大きく響いている。
「静香……そりゃ、仕事でかい?」
「違いますよ。ちゃんと運動してますか? 人は運動不足だと、考えがまとめにくくなるって話も聞きますし」
「最近なぁ……。そういえば、企画の準備やらで事務所にこもりがちだったかも」
そうして自信なさげな彼の答えを聞くや否や、
静香は「それですよ!」とプロデューサーのことを指さした。
「体を動かしていないから、頭がスッキリしないんです! ……プロデューサーは確か、明日はお休みでしたよね」
「えっ? うん、まぁ」
「だったら一つ、その日にテニスなんてしてみたらどうですか? 全身を使うスポーツですし、気分転換におススメです♪」
笑顔で言い切った静香が彼の持つスマホを一瞥する。
「少なくともゲームで憂さ晴らしするよりは、よほど健康的だと思いますよ」
「……お母さんみたいなことを言う」
とはいえプロデューサーも思うところはあるようで。
彼はスマホを机の上に戻すと、自分にテニスを勧めた少女に言ったのだ。
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