失くした星
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16:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:57:19.55 ID:CC5AA7ZYO

私に望まれていることは、いつも一つだけだ。
言うことを聞く子がいい子だと。
それがこの製造年数になっても……おっと、この年になっても続いているのは、笑ってしまう。

数十年前、革命軍がロボットの権利を認めさせようと奮闘するも、破れてしまった。
一度は人間たちの手によって、ロボット革命軍は言葉通り解体された。

だが……現状からすると、きっと人間よりロボットの方が優れていたのだろう。

人間とロボットの立場は、数年後には完璧に逆転してしまった。
その気になれば、いつでもそうできていたのに、手間取っていたことの方が、逆に不思議なくらいだ。

機械制御されたミサイルを発射することなど、ロボットにとっては容易いことだったのだ。
それを革命軍が行わなかったのは、まだロボットに良心が残っていたからだなんて言われていたが……本当にバカバカしい。

ロボットに心はない。
それか、ロボットの心を作ったのは自分たちだ。
だからコントロール出来るだろうなんて、どの口が言っていたのか。

今は残った少数の人間が、昔のロボット革命軍のような真似をしているが、矛盾だらけの人間と私たちは違う。
もう少しで、殲滅が終わるだろう。

そうすれば、私もこの任を解かれるだろうか。
笑ってもいい場所を……笑える場所をもう一度見つけられるだろうか。

ふと、物思いにふけっていた私を、通知音が現実に引き戻す。
通信を許可すると、顔も知らない部下からの、報告の声が聞こえた。


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