神谷奈緒「マーキング」
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3:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:27:53.68 ID:yaYFtgev0
緒方智絵里「私の特別な、あの人だけの贈り物」

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緒方智絵里「私の特別な、あの人からの贈り物」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:30:53.40 ID:yaYFtgev0
薄暗く狭い通路にカツン、カツンと無機質な音が響き渡る。


音の正体は通路の真ん中を歩く少女の足音。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:31:33.92 ID:yaYFtgev0
彼女を含めれば少数の人間のみしか利用しないこの通路。実は事務所のあるビルの地下に存在している。


この地下室、元々は備品や不必要品を置く為の場所。スペースとしては事務所のワンフロアと同程度。

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6:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:33:40.46 ID:yaYFtgev0
挿した鍵を一回転させて、扉を開錠させる。普通ならここまでの動作だけで、部屋にへと入る事ができる。


だが、それだけでは終わらない。この部屋に付いている鍵は、一つだけでは無い。

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:34:09.38 ID:yaYFtgev0
人影―――椅子に座る壮年の男は目の前の仕事を黙々とこなしており、余程に集中しているのか、少女が入ってきた事にも気づいていない様子。


少女はそれを確認すると、直ぐにでも彼の下にへと駆け寄りたい欲求を抑えつつ、まずはとばかりに振り返って入ってきたばかりの扉と向かい合う。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:35:10.89 ID:yaYFtgev0
「……お、お疲れ、様……T、さん」


「……」

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9:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:37:44.36 ID:yaYFtgev0
話し掛けて欲しくない、関わらずに避けて欲しい、と彼が思っている事は十分に理解はできた。


だが、そうしたTの思いを踏まえた上で奈緒は話を続ける。これは男の為だと自分に言い聞かせて。

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10:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:40:18.83 ID:yaYFtgev0
「……ははっ、そうだよな。見えないよな。こんな姿が良く見えるのであれば、そいつは最高の馬鹿だ」


そんな彼女の様を見てか、Tは嘲笑ってからそう言った。

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11:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:45:08.24 ID:yaYFtgev0
あまりの辛さに涙が浮かび上がり、その場で泣き出してしまいそうだった。


が、それでも。それでも奈緒は泣き出しそうになるのをグッと堪えて、目の前の男に向けて言葉を続けた。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:45:39.19 ID:yaYFtgev0
「アニメのDVD……だけどさ、けっこう面白い内容なんだ」


クリアケースの中に納められ、中央に小さく丸い穴の開いた一枚の薄っぺらい円盤。

以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:47:06.03 ID:yaYFtgev0
「気が散って仕方ない。早くここから出て行くんだ」


有無を言わさない強めの口調で、Tは奈緒に言葉を浴びせる。

以下略 AAS



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