短編を幾つか書きたいがキャッチーなスレタイが思いつかない
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32:名無しNIPPER[saga]
2017/11/30(木) 00:17:01.83 ID:TKy05yeMO
【来週のヒーロー】


「もう辞めた方がいいんじゃないか?」


訓練中のいつもの教官の口癖。
しかし、今は教官室にて発せられ、いつもの叱責ではなくて諭すような声音だった。
それにも関わらず、いつもより一段と深く僕の心に突き刺さった
肩が震え、呼吸がうまく吸えなくなった。しかし、教官の眼を見続けた。
眼を放したら崩れ落ちてしまいそうだったからだ。


「お前も、もう17歳か」


「……はい」


「確か、うちのヒーローアカデミーに入った時は7歳だったな。あんなに小さかった子どもがこんなに大きくなるとはなぁ」


「はい」


自分がヒーローになるべく人生の半分以上も訓練を積んでいた事実を再認識し、教官の言葉の重みを更に痛感した。


「それだけ長いことアカデミーにいたんだから、もう分かるだろう。……まあ、多くの人間がヒーローに憧れるが、本業にして食っていける人間はたった一握りなんだ。これはどうしようもない事実でな」


教官にしては迂遠な言い回しをする。
それがむしろ僕の心に重くのしかかってくる。



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