243: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:29:09.78 ID:pZhPrSd+0
 戦士と盾士の部隊は合流した後、近くの岩山に拠った。 
 兵士達が各々の時間を楽しむ中、戦士は一人、頂上で火を焚いていた。 
 群青の闇に沈むサマルカンドがよく見える。 
  
 紺碧の街・サマルカンド。数千人のエルフが住む街だ。 
244: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/11(土) 00:31:18.39 ID:pZhPrSd+0
 盾士「ご苦労だった、戦士」 
  
 戦士「叔父上」 
  
 隻眼の老将が戦士の隣に腰を下ろした。 
245:名無しNIPPER[sage]
2018/08/12(日) 01:30:44.52 ID:3vsqBSqDO
 乙 
246: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:21:40.72 ID:yYJTY5ji0
 魔剣士「剣士様が消えた、ですって!?」 
  
 王都アルマリクから北西に数里。 
 タシケントとサマルカンドの間にある小都市ジザフの朝は、令嬢剣士の叫び声で幕を開けた。 
  
247: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:42:02.28 ID:yYJTY5ji0
 ドタールの柔らかな音色が聞こえた。 
 ジザフで唯一の妓館。 
 給料が良いので、ここに勤める十代の女性は少なくない。 
  
 魔剣士「所詮は妓館。負の印象が拭えませんわ」 
248: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:54:09.34 ID:yYJTY5ji0
 剣士「え、どうして!? どうして殴るの!」 
  
 魔剣士「わたくしがどれだけ心配したと……兵士の皆様にも迷惑かけて、許せませんわ!」 
  
 馬乗りになって、兵士の頭をポカポカ殴り続ける魔剣士。 
249: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/18(土) 23:58:39.45 ID:yYJTY5ji0
 騎士に呼ばれ、剣士は軍営の天幕に戻った。 
  
 剣士「こんにひわ」 
  
 騎士「派手に殴られたな。大きな痣、できているぞ」 
250:名無しNIPPER[sage]
2018/08/19(日) 02:07:02.30 ID:wIiB04+DO
 乙 
251: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/19(日) 10:55:00.23 ID:JbrWqG6U0
 魔女「これから干戈を交えるであろう相手。王国軍の将軍。騎士、戦士、剣士について少し語っておこうか」 
  
 勇者「知っているのか?」 
  
 魔女「そりゃ、ボクも王都で働いていたからね。戦士とは魔王討伐の旅を共に乗り越えた仲だし」 
252: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/19(日) 11:00:08.74 ID:JbrWqG6U0
 先頭を歩く褐色の女が、ふと立ち止まった。 
  
 女盗賊「これが鉄門。街道の名前の由来にもなってる門さ。あんたら、鉄門目指して来たんだろ? 目ェかっぽじってよく見とくんだね」 
  
 目をかっぽじったら、見えなくなるのではないか。 
253: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/08/19(日) 23:36:48.16 ID:JbrWqG6U0
 魔女は一冊の本を取り出した。 
  
  
 『昔々、あるところに、とても仲良しな男の子と女の子がいた 
  
256Res/223.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20