26: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:16:00.33 ID:Qezuh/qr0
  
  
 「お、おっほん。友の心の内、我しかと聞き届けたり……!」 
  
  思えば自分の口からはっきり「好き」って言ったの、これが初めてかもしれない。 
  そう思うとまた恥ずかしくて、ぽかぽかしてくる耳を手で仰いで冷やします。 
  
 「友よ……我はそなたの甘美なる想いに、深淵より力を添え……その。だから、つまり―― 
  
  ――美穂ちゃん。わたし、応援します」 
  
 「え……?」 
 「プロデューサーと美穂ちゃんのこと。あの、わたし……もっと二人が仲良くなれたらいいなって、思うから」 
 「ほ、本当? でもいいのかなぁ……。私、狸だし……」 
  
  ちょっと弱気になった私に、蘭子ちゃんはぶんぶんぶんぶん首を横に振りました。 
  
 「大丈夫っ」 
 「そ……そう?」 
 「ま、まことの想いは言霊に魔力を乗せ、瞳持つ者の心の臓を、えと、つまり心を……ちゃんと、大丈夫だから!」 
  
  想いはきっと伝わる。 
  そう言ってくれた蘭子ちゃんに、私は救われるような気持ちがしました。 
  
 「――ありがとう。私、がんばってみるね」 
 「うむ! ゆくゆくはそなたの思いの丈を、あの者にぶつけるがよい! 滾る愛を、こ、こくっ、ここ告白……っ」 
 「こ……はうう……っ」 
 「うゅうぅうう〜〜〜っ」 
  
  どっちも全然こういう話に慣れてないです。ちょっとクリティカルな言葉が出てくるだけで大騒ぎです。 
   
150Res/122.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20