87: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:12:39.69 ID:Qezuh/qr0
  
     ―― 地上 熊本港 
  
  
 周子「――そういえばさ。いっこ釈然としないことがあって、あたしなりに色々考えてたんだけど」 
88: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:13:30.86 ID:Qezuh/qr0
  
    ―― 熊本上空 空中座敷 
  
  
 「――そして生まれたのが、菜帆じゃ」 
89: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:14:01.06 ID:Qezuh/qr0
  
 「むぅ!?」 
  
 「だって、好きなんだもん! 好きになっちゃったんだもん!」 
  
90: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:14:39.20 ID:Qezuh/qr0
  
   
 「それとも何じゃい! お前も人間と結婚するつもりか!?」 
  
  ゔっ!! 
91: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:15:19.58 ID:Qezuh/qr0
  
 「ふん……見下げ果てた狸よ! じゃが、お前らの目的はどうせ叶わん!」 
  
 「父上、茶釜エンジンに追加に酒を! 連中をもっと引き離してやらんといけん!」 
  
92: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:15:58.19 ID:Qezuh/qr0
  
 「なっ、菜帆!? お前起きて……っ!」 
 「え〜〜〜〜〜〜〜〜いっ!!」 
 「ぬわーーーっ!?」 
  
93: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:16:37.02 ID:Qezuh/qr0
  
    ―― 熊本上空 ブリッツェンのソリ 
  
  
  座敷がまた加速した。 
94: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:17:25.91 ID:Qezuh/qr0
  
 「ブリッツェン〜? 何を飲んで…………あ゙」 
 「あら、お見事」 
 「うわっ全部飲んだのか!?」 
  
95: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:18:22.40 ID:Qezuh/qr0
  
 「うわわわっ、ぶ、ブリッツェン〜!! もうちょっとゆっくり〜……あっ!」 
  
  直線上の遥か向こう、遠い座敷との距離がどんどん縮まってくるではないか。 
  イヴは手綱を握り直し、気合を込めて「ふすっ」と鼻息を吹いた。 
96: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:19:31.17 ID:Qezuh/qr0
  
 「ブリッツェン、そのままそのまま〜! どうどう〜っ!!」 
 「ブッブモッ、ブモモッ!! ブモモモモーーーッ!!」 
  
  イヴのヤバイ級トナカイ操縦テクにより、ブリッツェンは速度と針路を一定に保つ。 
97: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:20:12.73 ID:Qezuh/qr0
  
  狙いあやまたず、それは向こうの座敷にぼすっと落ちた。 
  すわ爆弾かはたまた煙玉か。狸どもは慌てふためくが、危険物ではないことにほっと胸を撫で下ろす。 
  だが……肝心の「それ」が何なのか、いち早く知ったご老体が目を見開いた。 
  
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