39:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:55:18.84 ID:nZJI/gt30
  
  
 鞠莉「私、大丈夫よ」 
  
 真姫「そう」 
  
 鞠莉「もう一度ステージにあがるって、ことりさんと約束したのよ」 
  
 真姫「そうなの」 
  
 鞠莉「意地悪なのね」 
  
 真姫「……相槌は苦手って言ったでしょ」 
  
  
 鞠莉「……」 
  
 真姫「……」 
  
 何を言おうか迷ったような顔をして、真姫さんはじっと私の顔を見た。 
  
 気づかわしげな目に、妙な既視感があった。 
  
  
 紫の目だ。 
  
 あの時の、果南の目だ。 
  
 果南はあのステージの直前、今みたいにじっと私の顔を見つめてきた。 
  
 私は結局わからなかった。あの時、果南は何が言いたかったんだろう。 
  
  
 真姫「……」 
  
 何も言わずに歩きだしたと思ったら、真姫さんはぴたりと足を止めた。 
  
  
 真姫「……鞠莉」 
  
 鞠莉「え?」 
  
 肩越しに、小さな声が飛んでくる。 
  
  
 真姫「ちゃんと前を見て歩きなさい」 
  
 鞠莉「……?」 
  
  
 それきり、真姫さんは何も言わなかった。 
  
 マンションに帰ってからも、言葉の意味はわからないままだった。 
  
  
 ―――怖いの? 
  
  
 鞠莉「そんなことない、絶対、大丈夫」 
  
  
  
  
  
  
    * 
  
  
  
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