喜多見柚「アタシにとっての奇蹟」
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15: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:16:42.00 ID:WtWlSgcZ0





 ふらふらと連れられて入った喫茶店で、お兄サンはどうやらごちそうしてくれるらしい。メニューをほいっと渡される。この喫茶店の中もお客さんがいっぱいで、それぞれがクリスマスに食べる美味しそうなスイーツを楽しんでる。窓際の席に座るスーツの男のヒトとパーカーの女の子はいったいどんな組み合わせに見えるんだろうと思うと少しおかしかった。


「それで名前、なんていうの?」

「喜多見柚だよーっ。喜びを多く見る柚!」

「そりゃいい名前だなぁ」


 褒められて悪い気はしないっ。このお兄サンは良く分かってる。ちょっぴり照れくさいけど。


「へへっ、ありがと。 あの……おごってくれるんだよね?」

「おう、なんでもいいぞー。俺はクリスマス限定パンケーキにしようかな」


 どうやらお兄サンは甘党みたいだ。さっきから横を何度も通る三重のパンケーキは、いちごとバナナとクリームをサンドした上に、ホイップでつくられたキャラクターが乗って、チョコレートが網のようにかけられていて、ものすごく美味しそうに見えるトクベツ感があった。


「あーっ。アタシもそれにしようと思ってたのにっ」

「こういうのは言ったもの勝ちだぞー」


 何を勝負してるんだろうと思って、とうとう吹き出してしまった。見た目よりずっと子どもっぽいかも。まだこのヒトを信じていいのか悩んでるアタシにとって、それはなんとなく良い印象だった。


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