喜多見柚「アタシにとっての奇蹟」
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17: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:19:16.08 ID:WtWlSgcZ0


 あらかた説明を聞き終わったあとに、どこかで聞いたクリスマスソングと、他のお客さんの話し声が混ざり合って。そのざわめきに少し安心したアタシはようやくイチバン大事なことを聞いてみたくなった。


「それで…その…なんで、ううん。……女の子にいっぱい声かけてたの?」

「いや、柚……さん?」

「柚でいいよーっ」

「じゃあ柚で……朝からいたんだけど柚が初めてだなぁ」


 そのコトバに心臓が少しだけ跳ねる。ってことは、もしかしてアタシにも光る何かがあったりして。アタシが知らないだけで、人混みの中から見つけてもらえるようなそんな何かが。


「へへ、そっか。……えと、なんで柚に声かけてくれたの?」

「なんとなく?」


 期待していた答えは本当にふんわりしていた。お兄サンも首を傾げながらそう答える。


「なんとなく……は嫌いじゃないけどっ。なにか、なんかないのっ?」


 知りたいのはそういうことじゃなくて。顔が良いとかそんな雑な答えでもいいから、アタシには見えないトクベツを教えて!


「説明するのが難しいんだよ。なんていうの、ティンときた!ってやつだ」


 お兄サンはどうやら本気で、そう言ってるらしかった。アタシは、それ以上聞き出せなくて、俯いて考えてしまう。


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