ボク/ワタシが如何にして時間の夢を美穂さんと見るのか
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名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:33:12.45 ID:cO+HlQy0o
とは言っても、五年前の飛鳥さんとボクとでは全然違うと思うんですが、そこは思い出補正というものでしょうね。五年経って飛鳥さんも、痛い奴もいいけどカワイイのも良いとなったのでしょう。
なんて、それは冗談ですが。
別に、ボクだって誰にだって物怖じをせずにいるわけではありません。信頼している仲間だから──なんて、そんなことを本人に言うつもりはないですが。
飛鳥さんは少しミルクを入れすぎて白さが強いコーヒーを飲んでから、再び口を開いて喋り始めた。
「もっとも、万能感ではないにしても、少女というのは後先を考えずに勢いに任せて生きていくべきものなのかもしれないな、後悔をしないように。希望なんてものは、後ろ手を組んでただお行儀よく待っているだけでは、掌に乗せた砂のように溢れ落ちてしまうだろう?」
──それは、確かに。飛鳥さんが言うように、そうなのかもしれない。
待ち続けていればやがていつかは、なんて思っているうちに日々は過ぎ去ってしまい、取り返しのつかない未来へと辿り着いてしまうのでしょう。
「その点で言えば、君は昔も今も変わっていないのかもしれないな。勢いのままに走り出して、何もかも投げ捨てても駆け付けてしまえるような、そんな思春期の万能感を持ち続けていたよ」
「五年後の自分の評価が今と変わっていないと言われると、成長していないように聞こえますね」
「もちろん良い意味でさ。青い春の純情というものを捨てていては、腐り落ちた木の実のようなものさ」
終わってしまっているってことだよ、と言って、飛鳥さんが言葉を締める。
そんな風に言ってしまいたそがれている飛鳥さんを見て、ボクはさっき聞いた話とは真逆の感想を覚えていた。
だって、そんなことを言っていることが既にもう青臭くて。
思春期なんてものを通り越して五年経っていたって、十分に若くて青春をしているのでは、と思ったのでした。
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