ボク/ワタシが如何にして時間の夢を美穂さんと見るのか
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39:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:46:03.49 ID:cO+HlQy0o

 飛鳥さんだけではなく美穂さんにまで言われるとなると、五年経ってもボクはボクのままだったのでしょう。いえ、確かにボクは既に完璧ですし、世界一カワイイので、成長していなかったとしても特に問題があるわけではないですが。
 変わらないといけないことと、変わらなくても良いこと。そういう微妙なものなんでしょうし、すべてをマイナスに捉える必要はないのでしょう。飛鳥さんだって良い意味でと言ってましたし。

 なんてことをボクが思っていると、美穂さんはくすりと小さく微笑んでから、「でもね」、と言葉を繋げました。

「もちろん年相応に大人になったなって思う部分もあるけれどね。だけど、根っこの部分は昔の幸子ちゃんだよ」

 美穂さんはお肉の赤身部分を見定めながら、そのまま当然のように、まるで日常で会話をするように──。

「意地っ張りで自信満々なところも、落ち込んでいる時にすぐに駆けつけて支えてくれる優しいところも、しっかりとしていて頼もしいところも、昔から何も変わっていないよ」

 ──カワイイボクですら思わず真っ赤になってしまいそうなほどに恥ずかしいことを、まっすぐに言いました。

 褒められることには慣れているつもりでいましたし、むしろドンドン褒めて欲しいとするのがボクのキャラクターであることを自覚はしていますが、それでもこうしてまっすぐに純粋にそう言われると、どうしても気恥ずかしくなります。
 まったく、これだから美穂さんは油断がならないんです。このカワイイボクが思わず魅了されてしまいそうになるほどに、美穂さんは天性の人たらしです。
 ……………まあ、だから、そうですね。
 少なくとも五年経ったときに、美穂さんからまっすぐそう評してくれるような人間になれるようになろうと、思春期の万能感とやらを忘れないでいようと。
 そんなことを思いました。



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