ボク/ワタシが如何にして時間の夢を美穂さんと見るのか
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8:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:26:46.14 ID:cO+HlQy0o


    +02


 人間、やる気になればなんでもできるとはよく言いますが、あながち根も葉もない妄言でもないのかもしれません。

 大学の授業……いや、大学の場合は講義というんでしたか。よくわかりませんが。講義を受けてみても、どうにか滞りなく乗り切ることができました。
 いえ、まあ、とは言っても、話を聞きながらスライドで挙げられている要点をノートにメモ書きしているだけなので、そういう意味で言えば実際のところは中学校と大差ないのかもしれませんが。
 もちろん、やっている中身がまったくの別物なんですが、そこは幸いというべきか、それほど進学するまでの知識が要される講義というものが少なかったので、対処のしようがありました。

 美穂さんは四年生、卒業に必要な単位は既に取得しているようで一緒に来られませんでした。その点が不安ではありましたが、不必要に一緒にいることを懇願しては怪しまれてしまいます。
 できるだけ、美穂さんにはこの事情を隠し通したいというのが、今朝から今に至るまでに出した、ボクの結論です。
 そもそも、無闇に人に話すことでもないでしょう。というか頭がおかしくなってしまったと思われてもおかしくないですし。こんな非現実じみた出来事を誰が素直に受け入れるのか。ボクならすぐに安静にゆっくり眠らせます。
 ……まあ、それでも美穂さんなら信じてくれるのでしょうけど。

「さて、どうしましょうか」

 独り言をぼそりと呟いてみました。
 大学というのは、必要な講義以外は自由に取得していいという性質をしているらしく、どうやら未来のボクは少し非計画的な取得をしていたようで、一時間半ほど空き時間ができてしまいました。
 一度帰宅するというのもありなんでしょうけど、とはいえ次の講義が終われば本日のスケジュールは終わりのようですし、それなら時間潰しでもしながら待っているべきなんでしょう。

「……まあ、ぼうっとしていても仕方ありませんね。どうせなので周囲の探索でもしてみましょうか」

 まずは状況の把握を正確にする。
 突然放り込まれた場所で適応するためには必要なことです。



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