ボク/ワタシが如何にして時間の夢を美穂さんと見るのか
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9:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:27:20.85 ID:cO+HlQy0o


    +03


「や、幸子じゃないか。元気かな?」

 近場の本屋を通りがかったところで声を掛けられたので、振り返ると見覚えのあるような、ないような人がいました。
 正確に言えば顔は見たことあるんですが、少し大人っぽくなっていて、元々美形ではありましたがさらに美人になっているので、どうにも一致しにくいです。
 エクステも付けていない、カジュアルながら落ち着いた服装で、どこからどうみてもクールで美人な大学生にしか見えませんが──二宮飛鳥さんでした。

「えっと、飛鳥さん……ですよね?」

「これはまた奇妙なことを言うね。それとも幸子の視界では私が他の誰かに見えているということかな」

「あ、いえ、そういうわけでは」

 ない、とまでは言い切れませんが。
 実際、ボクが思い描いている飛鳥さんと、目の前にいる二宮飛鳥さんは別人と言っても差し支えはないでしょうし。十四歳の飛鳥さんは世界に対して反抗期を迎えている真っ盛りですが、この飛鳥さんはそんなこともあったねと笑って全てを受け入れてしまいそうに見えます。
 いえ、あくまでも外見の印象ですが。
 ……しかし、それにしても、飛鳥さんも“私”なんですね。年を重ねるということは、そういうことなんでしょうか。



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