勇者「ニートになりたい」
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23: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/09(火) 20:42:59.11 ID:76b4/dYJO
【夜 ミンドガルドの村 宿屋 食堂】

勇者「はぁ〜、まいったぞ。いきなり資金難になるとは」ペラ

店主「オムライスお待ち」コト

勇者「ダーマの神殿まではどれくらいかかるんだろうか」

店主「ん? お客さん。ダーマ神殿目指してるの?」

勇者「はい?」

店主「ああ、すまんね。独り言が聞こえちまったもんで」

勇者「かまわないすよ、そうです。オムライスうまそっすね」

店主「ダーマっつうとこっから1ヶ月はかかるよ」

勇者「そ、そんなにっ⁉︎」

店主「ああ、ほれ、壁に地図がかかってるだろ。あれ見てみな」

勇者「……」コト

店主「現在地が西のはずれ。ダーマは大陸のちょうど中心地にある」

勇者「うまいすね、これ」モグモグ

店主「まぁな。俺のカミさんが作ってるから。そんで、山を二つ超えなきゃいかんから、はやくて1ヶ月てとこ」

勇者「はぁ……まいったな」

魔法使い「あんた、なんで抜け駆けなんてすんのよ!」バンッ

僧侶「えぇ〜。だってぇ、一緒に行くなんて約束はぁ」

戦士「それにしたって黙っていくこたぁないだろう!」

勇者「おっちゃん」

店主「なんだ?」

勇者「あの騒がしい子たちも旅の人?」

店主「らしいよ。ついさっき到着してね。パーティなんじゃないか」

勇者「ふーん」モグモグ

戦士「勇者、どこまで行ってるんだろうな。来る途中は見かけなかったが」

勇者「ん? 勇者?」ピクッ

魔法使い「行動がはやければ、足もはやいなんて。ほんと、たいした男みたいね」

僧侶「私たちが気がつかなかった可能性もぉ〜」

戦士「ここまではだだっ広い平原だったんだ。人影の見落としはありえない」

勇者「(……勇者探してんのかよ。こいつら。まさか、王様に見張りを言いつけられたとか?)」

店主「勇者……? おおい、あんた達! 勇者様がどうかしたのかい?」

戦士「ああ、今日が勇者の旅立ちの日なんだ。魔王退治のね」

店主「な、なんだってぇ⁉︎ こいつはたまげた! なら、あんた達は勇者様の付き人かい⁉︎」

魔法使い「だといいんだけどねぇ。私達はまだ……」

戦士「魔法使いの言う通りさ。勇者は仲間が足手まといだとよ」

店主「ひぇ〜〜!! こいつはまたたまげた! なら一人で旅してるんか⁉︎」

僧侶「店主さん〜、今日はお客さんは私たちだけですかぁ?」

店主「ここは辺鄙な村だ。今日チェックインしたのは、あんた達と、ここの――」

勇者「ば、ばかっ!」コソ


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