結城友奈「これは勇者たちの物語」
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22:名無しNIPPER[saga]
2018/01/13(土) 19:33:29.99 ID:gZU5fBxgo

千景(戦場の最前へと向かっているのは乃木さんと巫女である上里さんだった。巫女の性質上、実質乃木さん一人で道を切り開いている形となる)

上里ひなた「……若葉ちゃん、ここまでですね。これ以上は私の存在が邪魔になってしまいます」

若葉「……すまないな、ひなた。この先に居る相手には私も全力を尽くさなければならないようだ」

ひなた「良いんです。こうして、再び若葉ちゃんと会えたことが何よりの喜びだったのですから。……後はよろしくお願いしますね」

若葉「ああ、任せておけ」

ひなた「……そして、千景ちゃん。直接謝罪することができなかったことも含めてお詫びいたします。本当にごめ──」

千景『上里さん、その謝罪はいらないわ。……どうやら私自身が、ここまでのことをそれなりに悪くない……と私らしくなく、その、思っているようだから……ね』

ひなた「……そうでしたか。それなら私からは感謝の言葉を。ありがとうございます、千景ちゃん」ペコリ

千景(私の姿は見えていないでしょうに、最敬礼とは律儀なことね)

千景『……機会があればまたどこかで、上里さん』

ひなた「はい。その際は良しなに」

千景(これが私たちの短い別れの言葉だった。そして、巫女である上里さんが消えることで七人御先は六になってしまうと私は思っていたのだが──)

ひなた「では、若葉ちゃん。私はあの方と交代します。……どうか、その想いを必ず果たしてください」

若葉「……ああ、約束する」

千景(上里さんが最後に笑んで消える。けれど、入れ替わるように別の人影はすでに立っていて、その人は……)

??「……それで私が呼び出されたわけですか。これは不思議な体験と言ってしまっても良いのでしょうか?」

若葉「そうですね。ですが、これは縁ゆえの必然です」

??「……こうして直接お会いするのは初めてですね。あなたが乃木若葉さんですか?」

若葉「はい。お初にお目にかかります、乃木若葉です」

若葉「そして、諏訪を守った偉大な勇者にこうしてお会いできて光栄に思います」

白鳥歌野「……それはあまりにも過大評価ですよ、乃木さん。ですが、私もあなたに会えたことを嬉しく思います。改めまして、諏訪の勇者──白鳥歌野です」

千景(……そうか! 諏訪の勇者! その名前だけは聞いたことがある。私たちが調査で向かった頃には壊滅していたけれど、諏訪を最期まで守り続けた勇者は確かに居たのだ。それが、白鳥歌野。──たった一人で戦い切った、知られることのなかった英雄が、今戦線へと加わった)






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