結城友奈「これは勇者たちの物語」
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28:名無しNIPPER[saga]
2018/01/14(日) 16:05:44.45 ID:Vac3kRQ0o

*神樹前にて・先代勇者『三ノ輪銀』

銀「……すげえ……綺麗に一直線で、バーテックスが居なくなってる……」

シュタッ

千景「待たせたわね」

銀「いえいえ、アタシはまだまだ余裕ですよ! ……ふぅ、はぁっ……! ま、まぁ流石に呼吸はマラソン後みたいですけど……でも、バーテックスの進行が一気に遅くなって大分楽できています」

千景「西暦時代の勇者たちが責任を果たすために戦っているのよ。星座名を持つバーテックス以外は彼女たちの討ち洩らしが神樹前まで来ているだけのようね」

千景(最前線の戦況は落ち着いている。けれど、三ノ輪さんのボロボロの勇者服と、荒れ果てた大地がここで行われた激戦が如何に過酷であったかを物語っていた)

千景「……本当に頑張ったわね、三ノ輪さん。……それでも、申し訳ないけれど、もう少しだけいけるかしら?」

銀「無粋なことは言いっこなしッスよ、千景さん! アタシは最後まで戦い抜くって決めているんです」

千景「……そうだったわね」

千景「──中型以上で一体だけここまで進行してきたバーテックスが居るわ。私たちで討つわよ!」

銀「了解ですッ!」

千景(地面の中を潜り進行してきたのは以前私も対峙した魚座のバーテックス。それが今、地表から浮かび上がりその巨体をもって私たちに向かってくる)

千景「──乱れ裂き地獄花」ヒュン!

銀「わっ! すっげー速さ!? ……アタシも負けていられないってね! ──闘魂星砕き!!」ドカーン!

千景(残像を生じさせる速度の大鎌による連撃と、巨大双斧で一点を叩き切る鮮烈な強打。その挟撃が魚座の長く伸びている白い髭のようなものを両断していた)

千景「どうやら今の私の攻撃力は一から百程度に大幅上昇しているようね。紙を切り裂くよりまだ容易いわ」

銀「へへっ、何でか分からないけどアタシの攻撃力も大幅アップしていますね。おかげで──双斧焔王舞!!」ズシャー!

銀「こうしてこいつの身体さえ叩き斬れるようになったんですから!」

千景(炎を纏う回転を軸にした斧の連撃が魚座の身体を半分に切り裂く)

千景「手甲から生じた精霊ゆえに、本体が近くにあるからこうして強化されていると言うことかしら……? ……っ……!?」

千景(どうやら私の推測は間違っていないようだ。その証拠に私の持つ大鎌から精霊の力の一部が喪失したことを感じ取る。西暦時代の勇者の維持に、三ノ輪さんの強化、私自身の能力の向上……これで代償がなければそれこそ詐欺の類だろう)

千景「けれど、この程度で魚座を撃破出来るのなら安いものよ」



銀「お前のような奴らにアタシたちは絶対に負けない! これでッ! 終わりだぁー!!」



千景(魚座の無機質な胴体は四方に裂かれ、その御霊も光となって神樹へと吸われていく。安堵を一瞬覚えてしまったが、すぐさま気を引き締め直す。──最終防衛ラインである私たちが負けることは世界の終わりに等しいのだから)






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