【モバマス】琥珀色のモラトリアム
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44:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/03(土) 00:48:54.12 ID:vBuyWfgt0
「…………ボクにはまだ、理解らないな」

その感覚に心当たりがない訳ではない。雨に打たれ、己の愚かさを嘆いたあの日。世界はカッコつかないことばかりだと、失敗から学んだあの日。きっとボクと蘭子は、ひとつ大人の階段を登ることができたのだろう。
それでもボクにはまだ、全ての弱さを認めてしまう勇気は無かった。

「無理に分かろうとする必要はないよ。俺だって、本当に理解出来ているのかは怪しい。きっと、ブラックの珈琲の、苦味の中に美味しさを見出すようなものさ」

「ふふっ、なんて理解り易い喩えだろう。ボクにはまだ早いと言いたい訳だね」

「そういうこと。無理せず蜂蜜なりミルクなりを入れて自分なりに楽しめばいいんだ。……この先、何度でも様々な悩みに苛まれることになるだろう。そんな時は、今日の話を思い出してくれればいい。そうでなくとも、お前はもう一人じゃない。遠慮無く周りの奴らに頼ればいいさ」


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